サイト制作費などの見積もり金額の値切り方と注意点

 



2019/8/01
Webサイトに限らず、デザインやシステムなど制作系のお仕事の料金は、大半が人件費となります。 他の業種でも人件費は含まれるのですが、目に見える物理的なもの、もしくは一定の相場のある商品でないとなかなか価値観を合わせるのが難しい部分だったりします。 あるサイトを、入社したての新人が1週間掛けて作った場合と、ベテランが1時間で作ったもの。 同じものが出来上がってきても、1週間×人件費と1時間×人件費が同じなのか。 早く作ったのだから特急割増が発生するという考え方もあれば、1時間で作ったものに何万円も払えないとか。。。 まあ色々あるわけです。 またいわゆるITに詳しくない方には、エアコンの効いたオフィスでパソコンをカタカタ打っているだけで働いていると思われないこととか。。 まあ、流石に最近はそんなことを本気で言っている人は少ないと思いますが。

見積もりについて

正直な話、Webサイト制作においては、制作費=人件費+経費(家賃や光熱費、PC代、ソフト代)となります。 別途ライセンスが必要だったり、外部サービスの利用料金、サーバー・ドメイン代なども掛かりますが、制作費とは別になるので置いておきましょう。 ここでミスマッチが生じやすいのが、Webサイトなんて簡単に作れるんでしょ?みたいな誤解です。 詳細は割愛しますが、パッケージ等を使用しないフルスクラッチのサイトは、既製品ではない1点もののオーダーメイドとなるので、ヒアリングから提案、ご要望のすり合わせ、デザイン、開発と多くの手順が必要となり、想像するよりも多くの手間と時間がかかります。 そこで、お見積りを依頼した際に、想定外のお見積りが出てきて「高い……」と思われる方も多いのだと思います。 お見積り自体は前述の通り人件費がメインとなります。 人の仕事であり、またデザインであったりコードの質といった定量化しづらい内容がメインとなりますので、1ページの人件費はいくらと明確に提示することは難しいのが正直なところ。 それでも、お見積書に「大体◯◯万円くらいっすね~」とは書けないので、定量化しやすいページ数を項目として出したり、機能別にだいたい掛かるであろう人件費、相場観などから考えて書いていくことになります。 そこで、ツッコミどころは「だいたい掛かるであろう人件費」となります。

値切り方

ここからが本題です。 サイト制作に掛かる人件費が曖昧なものだからといっても、実際に毎月会社が払う人件費は一定金額必要になります。 それを、「急がせれば人件費下がるでしょ」みたいに言っても到底聞いてはもらえません。 お見積りも長年の営業を続けていく中で一定の根拠はあるので、「はいそうですね、値下げします」とはなかなか言えません。 つまり、値段を下げる根拠を提示することができれば、お見積りを下げる交渉の席に着くことが出来ます。 商品なんかだと小ロットで発注するより、大きいロットで発注するほうが単価が安くなるのと一緒です。 Webサイト制作で削りやすい項目をいくつか例として出してみましょう。

複数のページを1ページにまとめてください

例えば商品説明のページが、商品A、B、Cでそれぞれ分かれている場合は、全て1ページにまとめてOKと言われれば、お見積りの項目上ページ数が減るので見積もりが下がる可能性があります。 ただし、業者によってはページ情報をA4サイズ単位で換算するところもありますし、まとめればいいからと言って全ページ1ページにまとめるとか無茶なことはできません。 あくまで関連している情報や、1ページにするには情報が少なそうな部分をまとめる用に話してみましょう。

このページはデザイン必要ないのでテキストだけでいいです

ページを作る場合は、デザインとコーディングがセットなっており、レイアウトや見た目、スマホでの見え方など様々なことを考える必要があります。 よくあるページではプライバシーポリシーがわかりやすいですが、デザインは必要なくテキストだけで成立するページも存在します。 お客様がデザインを欲しているのかいないのか、ヒアリングをどこまでするかによりますが、見積もりの段階ではわからないことも多いので、デザインが必要のないページがある場合は、お伝えいただくことで料金を下げられる可能性があります。

手間が増えてもいいから安くしてほしい

管理画面などのシステムが入ったサイトをフルスクラッチで開発する場合は、システムの設計から考える必要があります。 制作者としては、運用面の使い勝手などを考えて、最低限の機能はつけなければと考えてお見積します。 そこで、多少めんどくさい作りになっても構わないので安くしてほしいと言われたら、機能を削ることを検討することが出来ます。

見積もりを値切ることの注意点

読んでいただいたら分かる通り、なんの根拠も変更もなくお見積りを下げることは出来ません。 つまり値切る場合は、何かしら品質が落ちることも意味しています。 Webサイトはとても多くの要素から成り立っているので、明確な成果を図りづらいSEOに対する作りだったり、運用上手間がかかる部分を経験上分かっていての機能作成だったり、お見積りや制作の時点で説明しきれないけれど、あるといい構成、機能などが多数含まれて結果お見積りとして算出しています。 お見積りを値切るということは、こうした説明しきれないけど価値のある部分を削ぎ落とすことに繋がる可能性があるということは覚えておいて欲しいと思います。 見積もりをする方も、安くしてほしい一辺倒だとデメリットを説明する隙がなかったり、金額が下がったことで満足してOKを出されてそれで成立となることがおおいですが、一度「お安くした場合、何かデメリットはありますか?」など、一言添えて料金が下がる分のデメリットを理解してご依頼いただければなと思っております。